2008年08月25日

Arendt, Human Condition@

Arendt, Hannah. Human Condition. 2nd ed. Chicago: U of Chicago P, 1998.@

第2版って、なんてことはない、カノヴァンの序文が付いただけ。まー無理せず訳書を読めばいいのに。。。と思いつつ、案の定、なんらかの形でまとめておかないと正確な論理の展開が頭に残らない…。全45節、各々数行で、その筋道だけ確認しておこう。

I. The Human Condition ----------

1. Vita Activa and the Human Condition
アーレントのvita activa(生活行為)とは、人間に与えられた3つの基本的な状況(conditions)に対応する基礎的行為の総称である。それぞれ、人間身体の生物学的過程に対応するのが「労働(labor)」、人間存在の非自然性に対応するのが「仕事(work)」、人間の複数性に対応するのが「活動(action)」、となる。注意しておくべきは、アーレントが状況と行為のそれぞれに本質主義(形相)的な意味合いをもたせていないことである(現象学的な身体観がここにある)。したがって、日本語の表現において、これら状況や行為が人間の本質・条件(不可分の構成要素)である、と言ってしまうことは多少の語弊を免れ得ない。

2. The Term Vita Activa
vita activaの伝統的位置付けについて。vita activavita contemplativa(観照的生)に対して伝統的に、従属的地位に置かれてきたが、その階層秩序の下では、翻って前者の内的秩序が曖昧にされてしまう。アーレントの狙いは本書で改めてvita activaを主題化・分節化することである。

3. Eternity versus Immortality
前節より引き続いて、vita activa(bios politikos)とvita contemplativaについての区別が論じられ、それぞれを支える原理であった、不死性(オリュンポスの神々)と永遠性(プラトン的イデア、キリスト教的唯一神)、および複数性と単数性の対比が強調される。早くも、アーレントの後者に対する姿勢は批判的な色合いを帯びてくる。

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とりあえず、今回はこんだけーw 最近、『アウグスティヌスの愛の概念』も読み始めた。なかなか歯ごたえあり。もちろん訳書。
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谷『これが現象学だ』/松浪『実存主義』

あーーーー、もう8月も終わる…。この期に及んで、こんなん読んで、なるほどなるほど頷いててどないすんねん、と叫びたいが、もうどうにもならない感が…。

谷徹(2002)『これが現象学だ』講談社現代新書

評判どおりの読みやすさと、判りやすさ。自然的態度から判断中止(エポケー)によってマッハ的光景(と本書で語られるもの)へと超越論的還元を為す、とりあえずこの根本的なプロセスさえ感得できていれば、ノエマやノエシスといったような一見難しそうな概念も無理なく入ってくるだろうし、さらに突っ込んでフッサールをやる場合にもブレなくて済みそう。

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松浪信三郎(1962)『実存主義』岩波新書

古い本だが、実存主義の概観を得るためには良い。ぶっちゃけ、サルトルの「対自」「即自」概念について何かしらのものを読んだのはこれが初めてで…、少しならずかなり惹きつけられてしまった。まあ、著者もあとがきで書くように、「(実存の思想が)未来へ向かう人間の自由な企てによって、たえずあらたにつくりなおされていく必然性をもっている」からなんだろうけど、それは悪く言えば、そもそもが漠然としすぎているということか。サルトルに話を戻せば、神の不在によって神のまなざしの下での不安の恐れのない即自存在となれずとも、はたまた人は神になれぬがゆえに「即自‐対自」という形での完全性に決して至りつけぬとも、他人のまなざしの中で不完全でありながらも、それを隠蔽することができるほどに一種の気やすさが得られるのであれば、それはとても羨ましい…。そうそう『存在と無』(人文書院、ちくま学芸文庫)の訳者はこの松浪氏。
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