2008年08月25日

谷『これが現象学だ』/松浪『実存主義』

あーーーー、もう8月も終わる…。この期に及んで、こんなん読んで、なるほどなるほど頷いててどないすんねん、と叫びたいが、もうどうにもならない感が…。

谷徹(2002)『これが現象学だ』講談社現代新書

評判どおりの読みやすさと、判りやすさ。自然的態度から判断中止(エポケー)によってマッハ的光景(と本書で語られるもの)へと超越論的還元を為す、とりあえずこの根本的なプロセスさえ感得できていれば、ノエマやノエシスといったような一見難しそうな概念も無理なく入ってくるだろうし、さらに突っ込んでフッサールをやる場合にもブレなくて済みそう。

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松浪信三郎(1962)『実存主義』岩波新書

古い本だが、実存主義の概観を得るためには良い。ぶっちゃけ、サルトルの「対自」「即自」概念について何かしらのものを読んだのはこれが初めてで…、少しならずかなり惹きつけられてしまった。まあ、著者もあとがきで書くように、「(実存の思想が)未来へ向かう人間の自由な企てによって、たえずあらたにつくりなおされていく必然性をもっている」からなんだろうけど、それは悪く言えば、そもそもが漠然としすぎているということか。サルトルに話を戻せば、神の不在によって神のまなざしの下での不安の恐れのない即自存在となれずとも、はたまた人は神になれぬがゆえに「即自‐対自」という形での完全性に決して至りつけぬとも、他人のまなざしの中で不完全でありながらも、それを隠蔽することができるほどに一種の気やすさが得られるのであれば、それはとても羨ましい…。そうそう『存在と無』(人文書院、ちくま学芸文庫)の訳者はこの松浪氏。
posted by ta at 03:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 文献レヴュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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